日本銀行が2025年7月17日に公表した主要銀行貸出動向アンケート調査(2025年7月)の結果について分析したものです。
本調査は、日本銀行と取引のある国内銀行および信用金庫の上位50先(貸出シェア約8割)を対象に、2025年6月10日から7月8日の期間に実施されました。調査では、過去3ヶ月間の資金需要動向と今後3ヶ月間の見通し、貸出運営スタンスや利鞘設定の変化について回答を集計しています。
資金需要動向を見ると、企業向けの資金需要判断D.I.は3%ポイントとなり、前回調査(8%ポイント)から低下したものの、依然としてプラス圏を維持しています。規模別では、大企業向けが7%ポイント(前回10%ポイント)、中堅企業向けが2%ポイント(前回-3%ポイント)、中小企業向けが0%ポイント(前回4%ポイント)となりました。業種別では、製造業の大企業向けが-3%ポイント、非製造業の大企業向けが7%ポイントと、非製造業の方が資金需要が強い結果となっています。
個人向けの資金需要判断D.I.は-1%ポイント(前回-2%ポイント)と小幅なマイナスが続いています。内訳を見ると、住宅ローンが-2%ポイント(前回-3%ポイント)、消費者ローンが4%ポイント(前回5%ポイント)となり、住宅ローンの需要低迷が続く一方、消費者ローンは堅調な需要を示しています。
貸出運営スタンスについては、大企業向けのD.I.が4%ポイント(前回2%ポイント)、中堅企業向けが2%ポイント(前回2%ポイント)、中小企業向けが2%ポイント(前回1%ポイント)といずれも積極化の方向を示しています。今後3ヶ月間の見通しも同様の傾向が続く見込みです。
利鞘設定では、格付別に見ると上位・中位・下位格付先すべてでD.I.が4%ポイント(前回2%ポイント)と拡大傾向を示しています。今後3ヶ月間の見通しでは、各格付とも6%ポイントへの拡大が予想されており、金融機関が利鞘改善に向けた取り組みを強化していることがうかがえます。