厚生労働省が令和6年衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況を公表し、医療関係職種の就業者数が調査開始以降で最多を記録したことを報告したものです。
調査結果によると、保健師、看護師、歯科衛生士、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師、柔道整復師の7職種すべてで就業者数が過去最多となりました。特に看護師については、高齢化の進展に伴う医療需要の増加や働き方改革の推進により、就業者数の増加傾向が顕著に現れています。
職種別の詳細では、看護師の就業者数が最も多く、次いで理学療法士、歯科衛生士、薬剤師の順となっています。地域別では都市部への集中傾向が見られる一方、地方部での人材不足が深刻化している状況も確認されています。年齢構成では、多くの職種で40-50代が中心となっており、若年層の確保と定着が今後の重要課題として挙げられています。
この調査は、医療従事者の需給状況を把握し、医療提供体制の整備や人材確保施策の基礎資料とすることを目的として毎年実施されています。今回の結果は、医療従事者養成施設の充実や復職支援制度の拡充、働き方改革の推進などの政策効果が表れているものと分析されています。
一方で、将来的な医療需要の更なる増加を考慮すると、現在の増加ペースでも人材不足は解消されない見込みであり、引き続き医療従事者の確保・定着に向けた総合的な取組が必要とされています。特に地方部での人材確保や、多様な働き方に対応した就業環境の整備が急務とされています。
記事は、日本の医療提供体制の基盤となる人材が着実に増加している一方で、高齢化の進展や地域格差など構造的な課題への対応が継続的に求められていることを示しています。