国税庁が2025年7月に公表した令和5年度(2023年度)の国税に関する包括的な統計資料。税務行政の実績と国民の納税状況を詳細に記録。
主要なポイント
1. 国税収入の状況
- 令和5年度の国税収入総額は過去最高を更新
- 所得税、法人税、消費税の3税で税収の約8割を占める
- 消費税収が初めて所得税収を上回る
- 相続税収は資産価格上昇により前年度比15%増
2. 申告・納税の状況
- 確定申告者数:2,300万人(前年度比3%増)
- e-Tax利用率:個人70%、法人95%に到達
- マイナポータル連携による申告:500万件突破
- スマートフォン申告の急速な普及(前年度比50%増)
3. 税務調査・徴収の実績
- 実地調査件数:8万5千件(前年度比10%増)
- 追徴税額:8,500億円
- 国際的租税回避への対応強化による追徴額倍増
- AI活用による効率的な調査対象選定
4. 税務行政のデジタル化
- 「あらゆる税務手続きが税務署に行かずにできる社会」の実現に向けた進展
- インボイス制度の定着(登録事業者300万者突破)
- 暗号資産取引の適正申告に向けた取組強化
- 税務相談のAIチャットボット利用者100万人達成
本統計年報は、日本の税務行政の現状を数値で示し、税制の企画立案や学術研究の基礎資料として活用される。