IPAが公表した2025年第2四半期の情報セキュリティ安心相談窓口の相談状況について、相談件数の推移と主要なセキュリティ問題の傾向を分析したものです。
2025年第2四半期の総相談件数は2,941件で、前四半期比8.5%減、前年同期比21.7%減となりました。相談内容の上位は、「ウイルス検出の偽警告」が912件（全体の31.0%）で最多、続いて「不正ログイン」267件（9.1%）、「フィッシング」126件（4.3%）、暗号資産を要求する脅迫メール38件（1.3%）、「ワンクリック詐欺」14件（0.5%）となっています。
特筆すべき傾向としては、2025年5月の警察による摘発後、「ウイルス検出の偽警告」に関する相談が大幅に減少したことが挙げられます。一方で、不正ログインの相談がわずかに増加し、様々なサービスを標的としたフィッシングの試みが継続しています。
具体的な事例としては、リモートアクセスを悪用して銀行情報を盗み出そうとする詐欺や、金融機関を装ったフィッシングメールが株式ポートフォリオの不正操作につながるケースなどが報告されています。IPAは対策として、不審なリンクのクリックを避ける、多要素認証を使用する、定期的にパスワードを変更する、不審なリモートアクセス要求に注意する、公式チャネルを通じて通信を確認することを推奨しています。
記事は、サイバー脅威が常に進化している中で、個人ユーザーが最新の脅威動向を把握し、適切なセキュリティ対策を講じることの重要性を強調しています。