厚生労働省が令和7年版厚生労働白書の概要版を公表したものです。
本概要版は、令和7年版厚生労働白書「次世代の主役となる若者の皆さんへ－変化する社会における社会保障・労働施策の役割を知る－」の要点をコンパクトにまとめたものです。急速な人口減少・超高齢社会の進展に対応するため、特に次世代を担う若者に向けて社会保障・労働施策の重要性を分かりやすく伝えることを目的としています。
概要版では、高校生3,000件を対象とした意識調査の結果が重点的に紹介されています。労働分野への関心が8割前後と最も高い一方、社会保障分野では医療・年金が6割前後、福祉・公衆衛生が5割弱、介護が4割強となっており、分野による関心度の差が明確に示されています。また、各分野の理解度は5～6割程度にとどまっており、関心と理解のギャップが浮き彫りになっています。
重要な発見として、社会保障教育や労働法教育を受けた経験がある高校生の割合は、ともに6割を超えており、これらの教育経験が制度への関心度・理解度を高める効果があることが実証されています。この結果は、学校教育における社会保障・労働分野の教育充実の重要性を科学的に裏付けるものです。
概要版はより多くの国民に白書の内容を理解してもらうため、図表やグラフを多用し、視覚的に分かりやすい構成となっています。社会保障制度の基本的な仕組みから将来の課題まで、若者が知っておくべき重要なポイントが整理されており、教育現場や家庭での活用も想定されています。
記事は、人口構造の急激な変化に直面する日本において、将来の社会を支える若者世代への情報発信と教育が政策上の重要課題となっていることを示しています。