文部科学省科学技術・学術審議会が2025年7月15日に開催した第77回会合で議論された、研究の創造性・効率性の最大化に向けた先端研究基盤の刷新方針について報告したものです。
本方針は、日本の研究パフォーマンスを最大化し、国際競争力を強化するための総合的な戦略として策定されました。第7期科学技術・イノベーション基本計画の策定に向けた重要な検討事項として位置づけられており、研究環境の抜本的な改革を目指しています。特に、AI時代における科学研究の変革に対応し、大規模集積研究基盤の整備を通じた研究の革新を重要な柱として掲げています。
先端研究基盤の刷新においては、研究インフラストラクチャーの近代化と高度化が中心的な課題となっています。これには、最新の研究設備・機器の導入だけでなく、研究データの効率的な収集・管理・活用を可能にする情報基盤の整備も含まれます。また、次世代の科学技術イノベーションを支える情報基盤の在り方についても、情報委員会による中間とりまとめを踏まえた検討が行われています。
人材面では、科学技術人材政策の新たな方向性が示され、若手研究者の育成・支援、研究者のキャリアパスの多様化、国際的な人材流動性の促進などが重要な施策として挙げられています。さらに、国際卓越研究大学制度や地域中核・特色ある研究大学強化促進事業（J-PEAKS）を通じて、大学の研究力強化と特色化を推進する方針も示されています。
記事は、日本が世界をリードする研究成果を創出し続けるためには、先端研究基盤の戦略的な刷新と、それを支える人材・制度・財政面での総合的な改革が不可欠であることを示しています。