中東政治経済レポート：トルコの地域戦略とエルドアン政権の政策転換

中東レビューの政策研究

アジア経済研究所「中東レビュー Volume 1」第3章として2014年2月に刊行された研究論文。エルドアン政権下のトルコが推進する地域戦略の変化と、その中東地域への影響について分析している。

エルドアン政権の地域政策

新オスマン主義の台頭: エルドアン政権が掲げる「新オスマン主義」の理念と、それに基づく中東・アフリカ地域への積極的関与政策について詳述。歴史的なオスマン帝国の影響圏を意識した外交戦略の展開を分析している。

多方面外交の展開: 従来の欧米重視から、ロシア、イラン、アラブ諸国等との多角的関係構築への政策転換。エネルギー安全保障と経済協力を軸とした地域戦略の多様化を検討している。

シリア情勢への関与

国境地域の安全保障: シリア内戦におけるトルコの軍事介入と、クルド勢力に対する安全保障上の懸念。国境地域での緩衝地帯設置構想と国際的な調整過程について論述している。

経済外交の拡大

中東・アフリカ地域における貿易投資の拡大と、トルコ企業の海外展開支援政策。インフラ建設、エネルギー開発等を通じた経済的影響力の拡大戦略を分析している。