職場における熱中症対策の強化に関する労働安全衛生規則改正と、2024年の熱中症による死傷災害の発生状況について報告したものです。
主要なポイント
1. 2024年熱中症死傷災害の発生状況
- 職場での熱中症による死傷者数は1,257人で、2005年の統計開始以降最多を記録
- 死亡者数は31人で、1989年の統計開始以降、2010年の47人に次いで2番目に多い
- 2023年の1,106人から151人増加(前年比13.7%増)
- 休業4日以上の業務上疾病者を含む総数で深刻な状況
2. 業種別発生状況(2024年)
- 製造業:235人(全体の18.7%)が最多
- 建設業:228人(全体の18.1%)で2番目
- 死亡者では建設業が10人(全体の32.3%)で最多
- 製造業の死亡者は5人(全体の16.1%)
- 建設業と製造業の2業種で死傷者数の約4割、死亡者数の5~6割を占める
3. 月別・時間帯別発生傾向
- 7月~8月に集中的に発生(全体の約70%)
- 14時~16時の午後の時間帯に多発
- 気温30℃以上、WBGT値28℃以上での発生が顕著
- 作業開始から2~3時間後の発生が多い傾向
4. 労働安全衛生規則の改正内容
- 令和7年5月20日付けで省令改正を施行
- WBGT値の測定・活用の義務化
- 熱中症リスクが高い作業場での予防措置の強化
- 労働者への教育・情報提供の充実
- 健康診断結果に基づく適正配置の実施
5. STOP!熱中症クールワークキャンペーン
- 実施期間:令和7年5月1日から9月30日
- 多言語(日本語、英語、中国語、韓国語、インドネシア語、タガログ語)でリーフレット作成
- 関係省庁・団体との連携による一体的推進
- 事業場における熱中症防止意識の向上と対策の徹底が目的
記事は、職場における熱中症が過去最悪レベルで発生しており、特に建設業・製造業での対策強化が急務であることを示し、規則改正による予防対策の義務化を進めています。