福島県がロボット・ドローン分野の先進地として発展している現状について、「福島から羽ばたく」シリーズの第3弾として紹介したものです。
福島県では震災前のなりわいの再建と同時に、新たな産業創出に向けた動きが活発化しており、その中核を担っているのが「福島ロボットテストフィールド（RTF）」です。RTFは2020年3月に全面オープンし、南相馬市と浪江町に設置された東京ドーム10個分（約50㏊）の敷地に、陸・海・空で働くロボットやドローンの一大研究開発実証拠点として整備されています。2025年4月には福島国際研究教育機構（F-REI）に統合され、世界に類を見ない施設として機能が強化されました。
開始以来2025年5月までに実施された実証試験は1200件以上に上り、浜通りなどに進出してきたロボット関連企業は80社を超えています。2025年10月にはF-REI主催で「WRS（World Robot Summit）2025」が開催され、大規模災害など過酷な環境下で活躍するロボットの開発競争が行われます。
具体的な企業事例として、ベンチャー企業「クフウシヤ」が南相馬市に拠点を構え、AIで自律移動する四脚ロボットの開発を進めています。同社は「実証試験がしやすい」「ものづくりがしやすい」「支援制度が手厚い」の3つのメリットを挙げ、RTFを活用した開発を推進しています。また、福島三技協は情報通信関係から事業拡大し、大型風力発電の点検用ドローン「Dr.Bee」を産官学連携による「チーム福島」で開発しました。
記事は、福島イノベーション・コースト構想の下で、復興への思いと最先端技術が融合し、世界に通用するロボット・ドローン産業の集積拠点として福島が発展していることを示しています。