経済産業省が公表した商業動態統計調査2025年6月分確報について、卸売業と小売業の販売動向を分析したものです。
商業動態統計は全国の卸売業・小売業の月次販売額、商品手持額、在庫率を調査する基幹統計で、日本の商業活動の動向を把握する重要な指標として位置づけられています。2025年6月分の確報では、業種別・規模別の詳細な販売実績データが公表され、前年同月比や前月比での変動率が示されています。
調査対象は商業事業所数約75万事業所のうち、売上高の大きい約3万事業所を抽出して実施されており、全体の約75%の売上をカバーしています。卸売業では機械器具、繊維・衣服等、食料・飲料、建築材料、化学製品などの業種別販売動向が、小売業では百貨店、スーパー、コンビニエンスストア、家電大型専門店、ドラッグストアなどの業態別動向が把握できます。
2025年1月分からは令和3年経済センサス-活動調査をもとに水準調整が実施されており、2024年12月分以前の数値との間に統計上の不連続が生じているため、前年同月比はリンク係数を用いて継続性を確保した形で算出されています。この統計は消費動向の把握、景気判断、小売・卸売業界の経営分析に広く活用される基礎資料として重要な役割を果たしています。