海外ウォッチャー:エコノミストが率いる南米の大国~アルゼンチンタンゴが意味するもの

本記事は、在アルゼンチン日本国大使館の山本高大二等書記官による、ハビエル・ミレイ大統領が率いるアルゼンチンの現状に関する詳細な報告である。筆者は2023年7月にアルゼンチンに赴任し、ミレイ大統領の足跡をほぼリアルタイムで追うこととなった。ミレイ大統領は「南米のトランプ」と報じられることが多く、「ドル化」や「中央銀行廃止」といった過激な政策を主張することで知られている。人物像として、1970年ブエノスアイレス市でイタリア系移民の子孫として生まれ、辛い家庭環境の中で妹のカリーナが心の支えとなった。若い頃はサッカーのゴールキーパーとして活動し、ローリング・ストーンズのカバーバンドでボーカルも務めた。一方で大のオペラ好きという一面もあり、大統領就任式では自身の思い入れのあるオペラに由来する「ロコへのバラード」を演目に入れた。この楽曲の作曲者はアストル・ピアソラで、伝統的なタンゴに革新をもたらした人物として、変革者としての自分を重ねる意味が込められているとの見方もある。経済学への関心は1980年代末のハイパーインフレを大学生時代に経験したことがきっかけで、ベルグラーノ大学卒業後、経済社会開発研究所(IDES)とトルクアルト・ディテラ大学で修士号を取得した。当初は新古典派のマクロ経済学に傾倒したが、次第に違和感を覚える中でロスバートの著書に出会い、オーストリア学派の経済学を信奉するようになった。エコノミストとしての活動と並行してテレビ討論番組に出演し、歯に衣着せぬ激しい発言で注目を集めた。自由主義の考え方を広める「文化的闘争」として、胎児を含む個人の生命と財産の徹底した保護を訴え、2021年の連邦議会選挙に「自由の前進(LLA)」を立ち上げて立候補した。本記事は、アルゼンチン経済の歴史と2023年大統領選挙の経過、政権交代後の経済政策とその成果、今後の課題について詳述し、高インフレ下での体験談、ドル化のロジック、日系人社会についても紹介する構成となっている。

※ この要約はAIによって自動生成されました。正確性については元記事をご参照ください。