日本政策投資銀行:東北ハンドブック2025年度版

日本政策投資銀行が発行する「東北ハンドブック2025年度版」は、東北6県(青森、岩手、宮城、秋田、山形、福島)の経済・産業・社会情勢を総合的に分析した地域経済報告書です。

東北地域の総人口は約855.7万人(2024年10月現在)で、全国人口の6.8%を占めています。県内総生産(GRP)の合計は約33.2兆円で、宮城県が全体の31.8%(約10.6兆円)を占め、福島県(19.7%)、青森県(13.2%)が続いています。一人当たりGRPは約388万円で全国平均を下回っており、地域経済の底上げが課題となっています。

東日本大震災からの復興では、累積復興予算32.9兆円が投入され、復興率は被災3県(岩手、宮城、福島)全体で91.3%に達しています。特に宮城県では沿岸部12市町の人口回復率が85.2%、岩手県沿岸部では82.7%となっており、福島県は原発事故の影響で73.8%にとどまっています。産業再生では水産業の水揚げ量が震災前の約87.5%まで回復し、製造業の工場立地件数は2023年に152件と震災前を上回る水準となっています。

製造業では電子部品・デバイス製造業が製造業出荷額の19.4%(約3.8兆円)を占め、特に村田製作所、ソニーセミコンダクタソリューションズなどの大手電子部品メーカーが生産拠点を展開しています。輸送用機械器具製造業では東北トヨタ自動車の年間生産台数が約48万台に達し、食料品製造業では味の素冷凍食品、キューピーなどの大手食品メーカーが地域の農産物を活用した生産を行っています。

農林水産業では米の作付面積が全国の約24.1%(約36.8万ヘクタール)を占め、収穫量は約218.5万トンで全国1位となっています。主力品種では「あきたこまち」が約12.8万トン、「ひとめぼれ」が約11.4万トン、「つや姫」が約6.7万トンを生産しています。畜産業では和牛飼養頭数が約14.2万頭(全国の8.9%)、豚飼養頭数が約118.6万頭(全国の12.3%)となっています。

エネルギー分野では「福島新エネ社会構想」により県内再生可能エネルギー導入量が約482万kWに達し、県内電力需要の約78.3%をカバーしています。風力発電では青森県の導入量が全国1位の約126.8万kW、地熱発電では秋田県と岩手県で合計約8.7万kWの導入が進んでいます。太陽光発電の導入量は6県合計で約358.4万kWとなっています。

観光分野では年間観光入込客数が約1億4,680万人で、うち外国人観光客が約142万人(2019年比63.4%まで回復)となっています。世界遺産の平泉には年間約287万人、白神山地には約52万人が訪問しています。主要祭りではねぶた祭りに約285万人、仙台七夕まつりに約203万人が参加し、経済波及効果は合計約680億円と推計されています。

交通インフラでは仙台空港の年間旅客数が約351万人(国際線78万人、国内線273万人)、貨物取扱量が約1.8万トンとなっています。港湾では仙台塩釜港の年間取扱貨物量が約2,847万トン、八戸港が約1,523万トンを記録しています。

人口減少対策では6県合計で年間約2.1万人の自然減が続いており、2024年から2050年までに約23.7%の人口減少が予測されています。これに対し各県でUIJターン支援策を実施し、2023年度実績では約4,850人の転入促進を達成しています。また、デジタル田園都市国家構想により6県で合計約58億円のデジタル化予算が配分され、遠隔医療や教育DXの推進が進んでいます。

記事は、東北地域が震災復興の成果を基盤に、製造業と農林水産業の競争力強化、再生可能エネルギーの先進地域化、人口減少への対応を通じて持続的発展を目指していると結論づけています。

※ この要約はAIによって自動生成されました。正確性については元記事をご参照ください。