この記事は、金融庁が実施した企業向けアンケート調査から、地域金融機関の取組みに対する評価と課題を分析したものです。
主要なポイント
1. 金融機関への評価の現状
- メインバンクへの満足度:68%(前年比3ポイント上昇)
- 事業性評価の実感:45%の企業が「理解されている」
- 経営課題解決への貢献:38%が「役立っている」
- 地銀と信金・信組で満足度に10ポイントの差
2. 企業が求めるサービス
- 第1位:販路開拓・ビジネスマッチング(52%)
- 第2位:人材紹介・育成支援(48%)
- 第3位:事業承継・M&A支援(41%)
- 第4位:DX・IT化支援(39%)
- 第5位:脱炭素経営支援(28%)
3. 融資慣行の変化
- 経営者保証なし融資:新規融資の42%(目標50%)
- 事業性評価融資:実施企業の78%が効果実感
- 企業価値担保権:認知度15%、活用意向8%
- 短期継続融資:利用企業の65%が資金繰り改善
4. 金融機関の課題
- 提案力不足:「具体的解決策がない」が最多不満
- 担当者の専門性:43%が「知識不足」を指摘
- 訪問頻度:月1回未満が35%で関係希薄化
- 手数料:「サービスに見合わない」が25%
5. 今後の改善方向
- 人材育成:専門人材の確保と育成が急務
- デジタル活用:オンライン相談の充実
- 地域連携:自治体・商工会議所との協働強化
- 成果の可視化:KPI設定と効果測定の徹底
記事は、金融機関が真の経営パートナーとなるためには、融資以外の付加価値提供力の強化が不可欠であると結論づけています。