新車販売2年連続過去最高更新（フィリピン） - 自動車ローン of 利用増加顧客層拡大: 地域・分析レポート

フィリピンの2024の自動車販売台数は前年比8.7％増の46万7,252台となり、2年連続で過去最高を更新した.ただし、2023年の前年比21.9％増と比較すると伸び率は鈍化し、期待されていた50万台には届かなかった.ブランド別では、トヨタが21万5,756台（市場シェア45.4％）で首位を維持し、三菱自動車が8万9,124台（同18.8％）で2位となった.注目すべきは、韓国勢（現代自動車31.7％増、起亜33.0％増）と中国勢（上海汽車58.8％増、比亜迪8.9倍増）の急成長である.販売増加の要因として、政策金利の引き下げ（2024年に3回実施、6.50％から5.75％へ）による自動車ローンの利用増加が挙げられる.フィリピン中央銀行のデータによると、12/2024の自動車ローン残高は約4,500億ペソ（約1兆1,700億円）に達した.銀行ローンに加え、ディーラーローンの利用も増加している.生産面では、2024年の生産台数は前年比18.0％増の11万7,421台となった.トヨタは新型「タマラオ」の製造を開始し、三菱自動車や いすゞも現地生産を継続.一方、世界情勢や台風の影響により部品調達に遅れが生じ、マニラ港の混雑も生産に影響を与えた.政府は自動車産業振興策「CARS」の後継プログラム「RACE」を策定中で、最低生産要件を20万台から10万台に緩和する見込みだ.