厚生労働省が令和6年度「少子高齢社会等調査検討事業」の報告書を公表し、高校生を対象とした社会保障・労働施策に関するアンケート調査結果を取りまとめたものです。
この調査は令和7年版厚生労働白書の作成に当たっての基礎資料を得ることを目的として、令和7年1月14日から31日にかけて実施されました。全国の高校生(1~3年生)を対象にWeb入力フォームによる匿名アンケート調査を行い、有効回答数3,000件を得ています。調査は株式会社ナビットに委託して実施されました。
調査結果では、社会保障・労働施策への関心度に分野による違いが明確に現れています。労働分野への関心は8割前後と最も高く、医療・年金が6割前後、福祉・公衆衛生が5割弱、介護が4割強となっています。一方、理解度については全分野とも5~6割程度と、関心度に比べて理解が追いついていない状況が浮き彫りになりました。
教育機会の状況では、社会保障教育や労働法教育の経験がある割合は、ともに6割を超えていることが明らかになりました。特に重要な発見として、社会保障教育の経験が社会保障制度への関心度・理解度を高め、労働法教育の経験が労働施策の関心度・理解度を向上させる可能性が示唆されています。
この調査結果は、次世代を担う若者への社会保障・労働分野の教育が重要であることを実証的に示しており、学校教育における社会保障教育や労働法教育の充実が、将来の社会保障制度の持続性や労働環境の改善に寄与する可能性を示しています。報告書は2.7MBのPDF形式で公開されており、詳細な分析結果と政策提言が含まれています。
記事は、若年層の社会保障・労働分野への理解促進が国の将来にとって重要な課題であり、教育を通じた意識向上の取組が効果的であることを科学的に裏付けています。