機能性表示食品制度届出データベース更新の実施
消費者庁は2025年8月18日、機能性表示食品制度届出データベースの届出情報更新を実施したと発表した。機能性表示食品制度は国の定めるルールに基づき、事業者が食品の安全性と機能性に関する科学的根拠などの必要な事項を販売前に消費者庁長官に届け出ることで、機能性を表示できる制度である。特定保健用食品(トクホ)とは異なり、国が審査を行わず、事業者が自らの責任において科学的根拠を基に適正な表示を行う必要がある。
制度運営の透明性確保
機能性表示食品については、事業者が消費者庁長官に届け出た内容(安全性及び機能性の根拠に関する情報、生産・製造及び品質の管理に関する情報等)が消費者庁ウェブサイトで誰でも確認できるシステムが構築されている。今回のデータベース更新により、最新の届出情報が公開され、消費者が購入や使用の際に届出内容を確認することが可能となっている。
制度の信頼性向上への取り組み
消費者庁は機能性表示食品制度全体に対する信頼維持のため、継続的な監視・検証体制を構築している。2023年には景品表示法に基づく措置命令を受けた事案を踏まえ、すべての機能性表示食品について既に届出・公表されている科学的根拠の再検証を随時行うよう関係団体に要請した。この取り組みにより、科学的根拠に疑義がある88件の届出について確認作業を実施し、そのすべてが撤回申出という結果となった。
消費者への注意喚起
消費者庁は機能性表示食品の適切な理解と利用のため、重要な注意点を示している。まず食生活の基本である主食、主菜、副菜を基本とした食事バランスの重要性を強調し、機能性表示食品はあくまで補助的な位置づけであることを明確にしている。また、たくさん摂取すれば効果が高まるものではなく、過剰摂取が健康に害を及ぼす場合もあるため、パッケージに表示された一日当たりの摂取目安量、摂取方法、注意事項をよく確認する必要がある。
品質管理と安全性確保の取り組み
令和5年度には「機能性表示食品に係る機能性関与成分に関する検証事業(買上調査)」を実施し、市場に流通している機能性表示食品の品質管理状況を継続的に監視している。さらに体調に異変を感じた際は速やかに摂取を中止し、医師に相談するとともに、事業者の連絡先に健康被害の報告を行うことを推奨している。これらの取り組みにより、制度の適切な運用と消費者の安全確保を図っている。