法制審議会民法（遺言関係）部会が令和7年7月15日に開催した第11回会議において「民法（遺言関係）等の改正に関する中間試案」を取りまとめたことを発表したものです。
この中間試案は、現行の遺言制度の課題を踏まえ、遺言の効力や手続きに関する民法の改正方向性を示したものです。部会では令和6年4月の第1回会議から11回にわたって審議を重ね、各回で遺言能力、遺言の方式、遺言の効力、遺贈や相続との関係など多岐にわたる論点について検討してきました。第11回会議では部会資料11-1から11-3に基づいて中間試案（案）の審議が行われ、修正を加えた最終版が正式に決定されました。
法務省は中間試案の理解促進のため、項目ごとに詳細な説明を加えた補足説明資料と、検討経緯や主な論点を簡易に要約した参考資料（ポンチ絵）も併せて作成しています。これらの資料は中間試案本体とともに公表され、制度改正の具体的な方向性や検討課題を分かりやすく示しています。
同時に部会では小粥太郎委員が新たに部会長代理に指名され、今後の審議体制が整備されました。中間試案についてはパブリックコメント手続きが令和7年9月23日まで実施され、広く国民からの意見を募集します。これらの意見を踏まえて、最終的な改正案の検討が進められる予定です。
記事は、遺言制度の現代化に向けた法制審議会での検討が重要な節目を迎え、今後の法改正に向けた本格的な国民的議論の段階に入ったことを示しています。