2040年に向けたサービス提供体制等のあり方について、高齢者施策を中心とした検討会の最終とりまとめを解説したものです。
2040年には65歳以上高齢者数がピークを迎え、85歳以上人口の増加により介護と医療の複合ニーズが拡大する一方、現役世代の生産年齢人口は減少します。地域によってサービス需要のピーク時期に大きな差があり、町村部では約30％の保険者が2024年以前に既にピークを迎えている一方、都市部では約43％の保険者が2045年以降にピークを迎える見込みです。
検討会では、地域の実情に応じた効果的・効率的なサービス提供体制の確保を目指し、全国を「中山間・人口減少地域」「大都市部」「一般市等」の3つの地域類型に分類しました。中山間・人口減少地域では事業所の多機能化や連携による効率化、大都市部では需要急増に対応した基盤整備、一般市等では過不足のないサービス確保を方向性として示しています。
人材確保については、処遇改善をはじめとした人材確保策の充実、雇用管理改善による定着、テクノロジー導入やタスクシフト/シェアによる生産性向上を推進するとしています。また、介護サービス、障害福祉サービス、保育を総称した「福祉サービス」の共通課題として、地域における事業者や関係者の連携促進、地域共生社会の実現を重視しています。
地域包括ケアシステムについては、2040年に向けて医療・介護の一層の連携を図り、認知症高齢者や独居高齢者の増加を踏まえた深化が必要としています。具体的には、介護予防・健康づくりの推進、高齢者が活躍する地域づくり、適切な医療介護連携体制の構築が求められています。
記事は、人口減少と高齢化が進む2040年に向けて、地域軸・時間軸を踏まえた計画的な対応により、全ての地域で高齢者が自立して日常生活を営める効果的・効率的なサービス提供体制の確保が不可欠であると結論づけています。