愛媛県の株式会社フジコソにおける高度外国人材の活用事例と、日本語教育を中心とした育成取組 about紹介.
フジコソは、1990創業で工場の省力化に向けた自動化装置の設計製作を行う企業で、従業員73人の中小企業ですが、約1割が外国人材となっています。同社の特徴は、採用時は日本語能力試験(JLPT)N3レベル相当(日常会話レベル)で受け入れ、入社後にきめ細やかな日本語教育を実施していることです。
同社の日本語教育は、業務時間内に週2回、1回4時間ほど実施され、N3レベル相当にはマンツーマン、N1~2レベル相当には外国人材2人に講師1人という少人数体制で指導しています。特に実務に即した内容を重視し、単なる試験対策ではなく、電話対応や客先対応のロールプレイング、日本人社員へのインタビューとレポート作成などの課題を通じて、業務で使う日本語コミュニケーション能力を養っています。
このような取組の結果、現在ではベトナム人エンジニア2名がプロジェクトリーダーに昇格し、日本人部下を含むチームを率いて、業務の工程管理、装置の計画作り、取引先との打ち合わせを主導しています。プロジェクトリーダーの一人であるグエン氏は、チームビルディングの必要性を提案したり、ベトナム出張時には母校のハノイ工科大学の学長らとの面談を設定し、同大学から3人の採用につなげるなど、会社の発展に貢献しています。
同社では、外国人材を含むダイバーシティ推進を通じて、経験者採用の応募人数が推進前の5倍に増えたほか、取引先からも「ダイバーシティを推進している企業から取引先を選びたい」といったコメントを受けるなど、営業面でのポジティブな効果も出ています。また、同質性が高かった組織が、多様なバックグラウンドの人材が入ることで、お互いの違いを理解する姿勢が根付いてきたといいます。
記事は、中小企業でも日本語教育への投資と適切な支援により、高度外国人材がプロジェクトリーダーとして活躍できることを示し、ダイバーシティ推進が企業の競争力向上につながることを結論づけています。