再び輝き始めた「常磐 also of 」。震災負けない豊かな海へ of 思い and : 福島 from 羽ばたく vol.2

福島県浜通り沿岸海域は、親潮と黒潮がぶつかる豊かな漁場として知られ、そこで水揚げされる魚は「常磐もの」と呼ばれ、市場関係者から高く評価されてきた.東日本大震災と原発事故から14が経過した現在、水産業は着実に復興への歩みを進めている.しかし、2024年の水揚げ数量は約6,640トンと震災前の4分の1、金額では約36億1,800万円と3分の1にとどまり、いまだ復興途上にある.浪江町の老舗水産会社「柴栄水産」は、1897年創業の歴史を持つ地元企業だ.震災により全施設が流失し、原発事故による避難指示で休業を余儀なくされたが、2020年4月の請戸漁港再開と同時に事業を再開した.4代目の柴強代表取締役は「漁師が前を向いて一生懸命やっている.彼らが頑張ってとった魚を誰が売るんだ」との思いから、浪江での事業再建を決意.県や町、福島相双復興官民合同チームの支援を受けて新工場を建設した.事業再開後、震災前の取引先から次々と連絡が入り、「常磐もの」のブランド価値を再認識.現在、売上は震災前の半分程度まで回復している.同社は最大6トンの海水をためる活魚槽を設け、酸素量や温度管理を徹底し、魚にストレスをかけない工夫で品質を維持.「一番おいしい状態で消費者に魚を届ける」という当たり前のことを欠かさず続けることで、ブランド価値を守っている.さらに柴氏は、地元の酒造店や大堀相馬焼の窯元と共に「浪江町地場産業共創組合」を設立.2025年7月には大阪で「浪江の粋」イベントを開催する and others、地域全体の復興に向けた活動も展開.「私たちの代で終わってしまうのでは、最初からやらないほうがいい.次の世代にきちんとつないでいきたい」と、未来への決意を語っている.