新発田龍史 審議官聞く、金融庁 of 過去 and Current

This article、金融庁企画市場局の新発田龍史審議官と東京大学の服部孝洋特任准教授による対談形式で、金融庁および金融行政の歴史と現在を詳細に解説したものである.新発田審議官は1993に大蔵省に入省し、役人人生の2/3近くを金融行政に携わってきた、金融庁での経験が最も長い官僚の一人である.対談では、まず1997年の日本金融危機 about詳しく語られている.当時は三洋証券、山一證券、北海道拓殖銀行 and othersが毎週のように破綻し、一部の銀行では取り付け騒ぎ一歩手前の状況となった.三塚大蔵大臣による預金全額保護宣言で一旦沈静化したが、この時期を境に、国際金融センターを目指す「前向き」な制度改革から、金融危機対応の「緊急対応」へと政策の重点が大きく変わった.新発田審議官は米国留学後、銀行局調査課係長として金融ビッグバンの法制化を担当し、11/1997の金融危機深刻化後は、公的資金注入や金融再生 forの法制度づくりに携わった.金融庁の組織 regarding、その理解が難しい理由として2つが挙げられている.第一に、組織形態が大きく変遷してきたことである.大蔵省時代は銀行局、証券局、保険部が縦割りで金融行政を担当していたが、1998年に検査・監督機能が分離され金融監督庁が設立された.これは1995年の大和銀行ニューヨーク支店巨額損失事件、二信組破綻、住専問題 and othersへの対応で大蔵省の金融行政への信頼が失われたことが背景にある.2000年代前半の重要な出来事として、東京三菱銀行と三井住友銀行によるUFJ争奪戦が取り上げられている.小泉政権下で竹中平蔵金融担当大臣が「金融再生プログラム」を発表し、主要行の不良債権比率を2年半で半減させる目標を掲げた.この過程でりそな銀行への公的資金注入、足利銀行の国有化が行われた.UFJ銀行は公的資金返済の経営目標を達成できず、最終的にUFJグループ全体の経営権を巡る争いとなり、東京三菱銀行との合併により現在の三メガバンク体制が確立した.本対談は、金融庁の複雑な組織構造と変遷を、実際に現場で政策立案・実行に携わってきた当事者の視点から明らかにする貴重な記録となっている.